ニコニコ学会とは

現在、我々はユーザー参加型コンテンツが花盛りの現状にいます。
UGC(User Generated Contents)、CGM(Consumer Generated Media)などとも呼ばれますが、
ユーザーが作ったコンテンツが日々生み出されています。
ニコニコ動画やYouTubeではユーザーが作った動画が日夜追加され、
ボーカロイドを使った楽曲が売上ランキングに上ることも珍しくなくなりました。
従来プロが作るものとされてきた創作物の世界にユーザーが参入し、
プロとアマの区別なく、多くの人が創作物を発表する世界になりました。

我々はアカデミアの一員として、この動きに大きな興味を持っております。
ユーザー生成コンテンツに関わる研究を推進してきた研究者もいます。
(『アーキテクチャの生態系』の濱野智史、「CGMの現在と未来」を企画した後藤真孝、ニコニコ動画におけるN次創作を研究する濱崎雅弘など。)
我々は、このようなユーザー生成コンテンツを成り立たせる仕組みに興味を持ち、支援したいと考えてきました。

そこで、我々はニコニコ研究会という新しい研究会を立ち上げたいと思います。
ニコニコ研究会は、従来から研究を推進してきたアカデミアとビジネスに加え、ユーザーの参加による研究の世界を構築しようというものです。
「ユーザー参加型コンテンツ」にならって言えば、「ユーザー参加型研究」の世界を作り上げたいと考えています。
ユーザーがコンテンツを作るのと同じように、ユーザーも研究をして、その成果を発表できます。

そしてそのために、ユーザー・ビジネス・アカデミアが共同で研究を進める場を作りたいと考えました。
それがニコニコ研究会です。

ニコニコ学会βの理念について、下記に説明します。

ユーザー参加型研究の世界を作り上げよう!

「研究」って難しそうに聞こえますか?
「研究してみた」だったらどうですか?なんかできそうに思えてきませんか?

「研究」とは、ある種の形式を表す言葉です。
ある前提に対して仮説を立て、それを検証するというプロセスにつけられた名前です。
そのプロセスは、誰でも実行することができます。
ぜひあなたも、何か仮説を考えてみましょう。
それを独自の方法で検証してみましょう。
そしてその検証した結果を、「研究してみた」タグで発表しましょう。
これで、あなたも研究者です。

ニコニコ学会βはあなたの学会です

「学会」って堅苦しいですか?
「学会β」だったらどうですか?少し柔らかい感じがしてきませんか?

「学会」は、研究に関する交流の場です。
研究成果ができたら、人に伝えたいですよね。
まずは「研究してみた」タグで、他の人に伝えてみましょう。
そして、誰かに直接会って発表したい場合、ニコニコ学会βで発表してみませんか?
ニコニコ学会βには参加資格はありません。
ニコニコ学会βは全ての人のための学会です。

ニコニコ学会βは動画での発表を推奨します

研究成果は「論文」にしないといけない?
でも、論文書くのは難しそうですよね。

「論文」は、研究成果をできるだけ効率的に伝えるための仕組みです。
でも、効率を最優先にしなくてもいいのなら、他の形式もありえます。
研究成果を動画で公開するのはどうでしょうか?
見ただけでわかる内容だったら、もしかしたら世界中の人が見てくれるかもしれませんよ。

ニコニコ学会βはユーザー参加型の価値を追求します

ニコニコ学会βは、ユーザ参加型コンテンツの流行がその母体となっています。
そのため、我々はまずその母体となったユーザ参加型コンテンツの価値を追求したいと思います。
ユーザ参加型コンテンツは、そのようなコンテンツを生み出し共有する場と密接な関係があります。
そこで、まず我々はそのような場を守り、発展させる研究を推進したいと思います。

ニコニコ学会βはオンラインとオフラインを融合した学会です

そもそも研究者が定期的に集まる意図は何でしょうか。
研究に関する発表をして、互いに意見を交換するためです。
でも、いまやオンラインでの発表にコメントをつけられるし、 そのコメントに発表者が応答することもできます。
一方で、物理的な会場に集まる意味がなくなったわけではありません。
ニコニコ学会βはオンラインとオフラインの枠を超えて、それぞれの利点を活かし、互いに結びつけていく学会を目指したいと思います。

ニコニコ学会βは研究の価値を多様化します

我々は「研究」には多様な価値があると考えています。
学術的価値や産業上の価値も大事ですが、文化的・芸術的な価値も大事です。
研究するという行為自体に価値があったり、
他の人から反応があってうれしい!という価値でもいいでしょう。
そのいずれもが、研究を推進する大切な原動力となるはずです。

ニコニコ学会βはβ版です

ニコニコ学会βのβは、学会未満の存在であることを表すと同時に、
ユーザーの参加によって初めて学会として成り立つことを意味しています。

ニコニコ学会βには終わりがあります

学会は長く続く方がいいと考えられてきたことには理由があります。
それは、学会は研究の価値を守るためのものであり、力を備えている必要があるからです。
しかし、長く続くことの弊害もあります。
それは、環境の変化に対応しにくいことです。
ニコニコ学会βは、5年間活動を続けます。そして、活動を終えます。
その後どうなるかは、我々にもわかりません。

発起人一覧(50音順)

青木俊介(ユカイ工学代表/チームラボ株式会社取締役)
五十嵐健夫(東京大学大学院 教授)
稲見昌彦(慶應義塾大学大学院 教授)
江渡浩一郎(産業技術総合研究所 研究員)
大向一輝(国立情報学研究所 准教授)
岡田良太郎(株式会社テックスタイル 代表取締役)
岡本真(アカデミック・リソース・ガイド株式会社 代表取締役/プロデューサー※事務局長)
後藤真孝(産業技術総合研究所 上席研究員)
高須正和(チームラボ株式会社 マーケティングプランナー)
竹田茂(スタイル株式会社 メディアプロデューサ)
武田英明(国立情報学研究所 教授)
竹内郁雄(早稲田大学理工学術院 教授/東京大学 名誉教授)
千野裕司(株式会社ドワンゴ 執行役員 ニコニコ事業本部長)
塚田浩二(お茶の水女子大学 特任助教)
豊田正史(東京大学 准教授)
苗村健(東京大学 准教授)
中西泰人(慶應義塾大学 准教授)
中村聡史(京都大学大学院 特定准教授)
八谷和彦(メディアアーティスト)
濱崎雅弘(産業技術総合研究所 研究員)
濱野智史(株式会社日本技芸 リサーチャー)
福地健太郎(明治大学 特任准教授)
桝山寛(mishmash*プロデューサー)
宮下芳明(明治大学 准教授)
宮島靖(ソニー株式会社 技術開発本部)
Myrmecoleon(Paradoxical Library)
吉川日出行(みずほ情報総研 シニアマネジャー)
暦本純一(東京大学大学院 教授)
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